おうえんフェスを終えて~主催 柚木昌宏より

大赤字。
それでも成功したと私は言う。

二日に渡るおうえんフェスが終わった。
全国40拠点とのライブ中継、1800人が入る会場での登壇。
ファシリテート、スピーカー、懇親。

怒涛の二日間だった。
そして、一月の恩送りフェスタ以来の、胸躍り、緊張し、エキサイティングで、かつ人が偉大であることを知った二日間だった。

今回、二日間の参加費は全部無料で、投げ銭形式でやった。
結果、超・赤字。
やってもうたぜ!!

会社としての、大きめのイベントは今回で二回目。
イベントは、しっかりデザインしない限り、手間暇と採算が全く合わないことは一度目で分かった。
そして、世の中に、志や何らかのメッセージを発する際には、とても効果的なことも分かった。

そして今回、やってもうだぜ。

でも、会社としては、成功だったと思ってる。

個人と同様に、法人も、自分がなにものであるのか、から生きてるのが大事だと思ってる。

我々は、成長・挑戦・絆をプロデュースすることを通じ、あなたの理想を超えた未来を提供する。

〜感動のその先へ〜

我々は成長・挑戦・絆をプロデュースすることで世界中に感動を届けるのだ。
ワクワク生きる世の中を創るのだ。

今回のおうえんフェスを通じ、会社員を辞め、起業を決めた人。
大人になってこんなに刺激的は日々があるなんて思わなかったという人。
自分の夢を表現する機会をありがとうございますと言ってくれる人。
応援するほどに人に応援されることを知ったという人。
人の夢がいつしか自分の夢になったという人。
涙する運営チーム。

今回の企画は、役員高田が、弊社にジョインする前から企画として存在していた。

1ヶ月半ほど前のある日、
柚木さん、話があります。
と高田が珍しく、緊張した面持ちで話しはじめた。

高田「今回のおうえんフェス、全国1万人を巻き込みます。そして、参加費全額無料の投げ銭形式でやりたいんです。」

私「!?」
 「ワオ!!ファンタスティックベイベー」(心の声)

1800人の会場代、キンコン西野さんを呼ぶのにかかる費用、チラシ、販促のための様々な制作物。
その他にも細々と備品を買ったり、人や車や、いろんなものを手配して、イベントにはお金がかかる。

そして今回は2daysでやると言っている。
二日目は、代官山の超豪華な4階建ての会場を借り、200人の食事、飲み物代、全部無料にすると。

高田は類まれなるアイデアマンで、実行力もあるのだが、お金を稼ぐことにコミットがあるわけではないと思っていたので(ワオ!!)、一瞬判断に迷ったが、オッケーにした。

ぶっちゃけ超面白いと思った。

そして、その規模感で全部無料でやるなんてバカげた決断できる会社はないだろうと思ったし、そんな決断が世の中を変えてくんじゃないかと思った。
何より、世の中を素晴らしくする活動を、そんな形で提供するなんてワクワクするじゃないか。
与えよ、さらば与えられんを生きる会社って、素敵じゃないか。

そして、高田の成長がめっちゃ伴うのでは無いか、とも思った。

そして、経営判断としては、こけることもあり得るかもと思ったし、会社を泥舟にしちゃまずいので、この機会に、私はマネタイズすべく別事業を立ち上げることにした。

おうえんフェスに、私やbondも名を連ねているが、おうえんフェス主催、総責任者は高田。
全てを任せた。

高田の奮闘がはじまった。
数名での打ち合わせから始まり、チームを組織すること、集客、企画アイデア、実行、チームマネジメント、協賛のアイデアだし、開拓。
朝礼暮改的な変化の速さ。

いろいろ滞ってるのも見えたし、プレッシャーあるだろうなと思った。
何度かSOSを出しているのも分かった。
頼りたいと思っているのも分かった。

そして、私は、彼に責任者として、やりきって欲しいと思っていた。

ぶつかる壁にぶつかって、乗り越えるものを乗り越えて欲しいと思っていた。

金は出す、口は出さん。
言葉にするとカッコいいけど、これは結構しんどいよ。
会社にお金が潤沢にあるならいいけど、立ち上げたばかりの会社で、そういう状況でもないので、辛抱たまらんかった。

そして、この状況に身を置くことは、高田だけでなく、私にも、会社にも何らかの飛躍的前進を引き起こすとも思っていた。

結果、初日は1800名の会場は1000名弱。

二日目、代官山の豪華な会場では、超素敵なスピーカー12名をお呼びした。
ブースも30以上出展。
たくさんの人に来て頂いた。

そして、投げ銭に願いを込めるも、結果・大赤字。

そして、打ち上げ。
高田は普段は温厚なのだが、いつも打ち上げでキレる。
誰かに、もしくは何かに、いつも文句があるのだ(と私は勝手に思っている)

その高田が今回は最後にみんなの前で、号泣していた。

達成意欲の異常に強い男なので、コミットしたことを達成できなかった悔しさ、不甲斐なさもあるのだろうが、自分が責任者としてやりきったことからくる涙なんだと思った。
自分が言い出して、本当にたくさんの人を巻き込んで、文句も言われながらそれでも、たくさんの人がおうえんフェスを、高田を応援してくれて、愛されてることを知って、そこから来た涙。
そして、できなかった自分、期待に答えられなかった自分への涙。
誰のせいにもできない悔しさと感謝の混ざった涙。

涙する高田を見て、私はとても嬉しかった。

数値では計れないが、高田の中の何かが変わった瞬間だと思った。
成長の機会を提供していくことが会社という組織の長たる私の役目であるならば、私はその役割は果たしたと思っている。

そして、売り上げを出す経営者としては、現時点での勝負には負けた。
正直、悔しい。

開催までの途中、儲からないから辞めたほうがいいと、ある社長に言われて、突っぱねた。
目にもの見せてやる!
あなたの常識を超えたところで勝負して、あなたの常識を変えますから。
そう思っていた。

結果、売り上げは惨敗。

ああ、マジで悔しい。

そして、勝負はまだついちゃいないぜ。

高田が、おうえんフェスをしっかりマネタイズし、もっと素晴らしい2回目を開催することに強烈にコミットしている。

成長・挑戦・絆をプロデュースし、描いた未来を超える感動を提供する会社は、高田の中の何かを変えた。

打ち上げ後、高田を含む数名と朝5時まで、おうえんソングしばりというルールでカラオケに行った。

高田は、カラオケが終わり、みんなと別れ、家に帰る途中、一人涙したって。
その涙が何の涙かは知らない。

そして、その報告を聞いて、私も涙した。

俺たちゃ、絶対に間違っちゃいない。

このまま行こう。

そして、特別に感謝を伝えたいのが、株式会社ペライチ山下社長と、上田さん、友美さんなど、山下さんのチームメンバーの皆さんだ。

自身の会社・事業・業務がありながら、高田の精神的支柱として、おうえんフェスに深く関わり続けてくれている。
きっと、社内での調整も大変だったのではないかと思う。
風当たりもきつかったのでないかと思う。
山下社長率いるペライチチームの存在があったからこそ、実現できたし、たくさんの感動を生むことができたのは間違いない。

山下社長が、おうえんフェスで実現しようとしていることはペライチが目指すことと本質的に一緒です、といつも言っている。

ここからですよ、といつも力づけてくれる。

おうえんフェスを通じ、これからも関わっていきたいし、勝たせたいと思う山下社長、そしてペライチという仲間を得た。
このハラハラする日々が生み出してくれたものだ。

俺、生きてる。

人生はこうでなくちゃね。

運営として、参加者として関わってくれているみなさん、本当にありがとうございます!
おうえんフェス、新しい未来をありがとう!!